ライトノベル 半分の月がのぼる空4 レビュー

タイトル 半分の月がのぼる空4
著者 橋本紡
イラスト 山本ケイジ
出版 電撃
発売日 2005年2月


執筆者:jade 評価:
正直、夏目の独白による回想が始まったときは肩透かしを食らったような心境になったのですが、読み進めるとすぐにそんな気持ちは吹き飛びましたね。
この独白は夏目の宣告の真意や裕一への冷たい態度の理由、里香の病状や術後の経過といった物語の核心に触れる重要なエピソードであると同時に、その話自体が裕一と里香の今後を暗示するような悲しい物語に仕上がっていて、もの凄く泣けるんですよ。読んでる最中、何度目頭が熱くなったことか!
それから夏目の独白を聞いた直後に発した亜希子さんのセリフがまたいいんですよ。この発言によって、夏目の悲しい過去に別の意味がもたらされることになり、さっきとは違った種類の涙が頬を伝う羽目になりましたよ(´Д⊂
もちろん1巻丸々夏目のエピソードに終始しているわけではなく、裕一と里香のエピソードにも触れられているのですが、裕一がある決意を口にするシーンは今までのヘタレぶりを吹き飛ばすほどかっこいいんですよね。このシリーズ唯一の欠点が主人公の魅力のなさだと思っていただけに、この巻に限れば非の打ち所がなくなりました。

このシリーズは病気を題材に取り上げた重い物語なんですが、絶望の中にも希望を見出そうとする前向きな姿勢が登場人物の言動から見て取れるため、陰鬱とした雰囲気のない清涼感を伴った感動を持つ作品に仕上がっています。特にこの巻はそれが如実に表れていて、読み終わった直後は感動でしばらく動けませんでした。ライトノベルでここまで号泣したのは久しぶりですよ。早くも5巻の発売が待ち遠しいですね♪


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